勉強法について

2020年01月06日月曜日

試験日が明示されたので、逆算して勉強を開始する人も多いでしょう。
私は試験勉強では「過去問」と「ブループリント」を軸にすることを勧めています。
それ以外にも大切だと思うこともあるので、思いつくままに書いていきましょう。


過去問とブループリントを軸にする

ときどきお問合せフォームから勉強法に関する質問をいただきます。
その際の答えはいつも同じで「過去問とブループリントを徹底的にやりましょう」です。

そもそもブループリントと併せて示されている公認心理師出題基準は「公認心理師試験出題基準は、公認心理師試験の範囲とレベルを項目によって整理したものであり、試験委員が出題に際して準拠する基準である」です。
そして、ブループリントとは「公認心理師試験出題基準の各大項目の出題割合を示したものである。これに基づき、心理職に対するニーズが高まっている近年の状況を踏まえ、社会変化に伴う国民の心の健康の保持増進に必要な分野を含めた幅広い分野から出題するほか、頻度や緊急性の高い分野についても優先的に出題することになる」です。

簡単に言えば、公認心理師試験はブループリントに準拠して作られる=ブループリントから出題される、ということですね(あくまで傾向・割合が高いということでしょうけど)。
このブループリントには、大項目・中項目・小項目がありますが、特に小項目は「中項目の内容に属する概念及び用語の例を具体的に記載し、可能な限り出題テーマを明確化している」とありますので、こちらが重要なのは明白だと思います。

よって、試験勉強では「ブループリントの小項目に対して、専門的な説明を行うことができるようになること」が重要となってきます。
おそらく各社が出しているという模擬問題も、この小項目に沿って作成されていると思われます(見てないからわからないけど)。

さて、ブループリントの小項目を勉強することが重要であることは、おそらく多くの人が知っていることだと思います。
せっかく「ここから出しますよ」という基準が出ているのですから、活用しないなんてあり得ませんよね。

ただ、いざ勉強しようとすると意外と大変なのが「どこまで勉強すればいいの?」ということです。
単に辞書で定義を覚えれば良いのか、その概念の実践上の活用のされ方まで把握することが必要なのか、どの程度の奥行きというか距離感というか、その辺の感覚が重要になってきます。

その感覚を身に付けるために役立つのが過去問です。
多くの過去問は直接的・間接的にブループリントの項目から出題されています。
ときどき「出題傾向が変わった」と述べる人がいますが、解説をした立場から言えばそんなことはありません。
明らかに昨年度と今年度では、試験問題を作った人が変わったと思われる箇所はありましたが、あくまでもブループリントを柱に作ってあることには変わりありませんでした。
そもそもまだ2回(追加試験を合わせて3回)の試験ですから、傾向を作っている段階とも言えるでしょう。

過去問はブループリントを基準にしつつ作られた実際の問題です。
ですから、「どこまで勉強すればよいかという奥行きや距離感」を掴むのにこれ以上のものはありません。

これらをまとめると、私が勧める勉強法は以下の通りです。
  1. 過去問を徹底的にやる。その際、ブループリントの小項目と被る部分にチェックを入れておく。
  2. 「徹底的にやる」という意味は各人によって様々だが、個人的には「3回は解くこと」「○の理由、×の理由を論理的に説明できること。言い換えるなら、○×だけ覚えない」「他者、特に専門外の人に説明して理解させることができる」という点に重きを置いている。
  3. ブループリントのチェックが入っていない項目を一つひとつ調べていく。
  4. +αとして、自分の苦手な範囲などを中心に学び直す。
以下に、更に詳しい勉強についての留意点を挙げておきます。



勉強するときに気をつけた方がいいと思うこと

私は長く臨床心理士資格試験の勉強会を行ってきました。
その際、何度も口酸っぱく言ったのが「臨床心理士資格試験に特化したテキストなどは使わないこと」です。
多くの学生がこの助言を守ってはくれませんでしたが、やはり大切なことだと思います。

なぜ「臨床心理士資格試験に特化したテキスト」を使わない方がいいと思うのか、それはこうしたテキストの中身を読めばすぐにわかります。
これらのテキストは「臨床心理士資格試験の過去問」をもとに作られています(当然ですよね)。
膨大な過去問を整理し、過去の出題ポイントを押さえ、解説してくれています。

ですが、試験に臨むうえで必要なのは、そういうことなのでしょうか?
私は違うと思います。
試験に必要なのは「未見の問題に相対したときに、それの攻略を可能にする知識」です。
過去問がそのまま出題されることはめったにありません。

上記のようなテキストで学ぶと「過去問を解く力」は付くけど、「未見の問題を解く力」は育まれにくいです。
あくまでも「過去問に特化したテキスト」ですから。

こうしたテキスト、厄介なことに、勉強している段階では過去問を解くことができるようになるため「力が伸びている錯覚」に陥ることも少なくありません(私は臨床心理士資格試験の勉強会を行っているときに模擬試験を作成・実施していましたが、それはこの錯覚を覚まさせるためです)。

あと、楽なんです、こういうテキストは。
過去問を解くときに、わからないところがあった際にパッと開くと「○×がわかる程度の解説」はしてありますから。
でも、頭に何かを刻むというのは楽してはいけないんです。
自分の頭の中に無かった知識を入れるということは、既存の知識との再統合を行うということですから、頭の中で小さな革命を繰り返し生じさせるということなんです(特に心理学という「人間」に関する理論では)。

でも、時間がなかったり、学びの苦しさに慣れていないと、どうしてもこうしたテキストを手に取ってしまう。
もちろん手に取っても良いのです。
大切なのは、これから試験を受けるためには「未見の問題を解く力」を身に付ける必要があるという自覚です。
あくまでもテキストを「過去問レベルを理解するために使う」と割り切り、それ以上の知識をどのように調達するのか、それが大切です。

さて、では「未見の問題を解く力」をどのように身に付ければ良いのか。
それは、私がこのブログで実践していることをそのままお勧めするだけです。
それは「解説を作るときには、公認心理師と名のつくテキストを使わない」です。

私がよく使うテキストを挙げると以下のようなものになります(あくまでも一例ですよ)。
これらはあくまでも一例ですが、これらの良いところは、公認心理師試験を念頭に置いて作られていないという点にあります(そして各学会の代表者が執筆している、たぶん)。
そのため「過去問を解くためには過剰な知識」も含んで説明がなされています。
実は、この「過去問を解くためには過剰な知識」がそのまま「未見の問題を解く力」につながるのです。

私がブログで上げている解説は、こうした視点で作成されています。
おそらく「その問題(過去問)を解くために必要な知識」だけで良いのであれば、もっと解説は少なくて済むでしょう。
しかし、解説を書くということは何のためなのか。
それは、これから試験に臨む人たちの一助になるためですよね。
解説が「過去問を解くのには役立っても、これから受験する問題を解くのには役立たない」となると、いったい誰のためのものなのやらという感じです。

このことは、これから勉強する人にとっても大切なことだと思います。
過去問を自分で調べるときにも、ブループリントの小項目を調べるときにも、こういう「余分な知識も含めて書いてあるテキスト」を使うことを個人的には勧めます。

あと、これは教え子や後輩に言っても誰もしてくれないのですけど、何らかの心理学概念を調べるときには、可能なら「2冊以上のテキストで調べること」を勧めています。
同じ概念でも、述べる人が違えばそのニュアンスが異なります。
そのニュアンスの違いを理解することは、その概念の更なる理解につながります。
勧めても誰もやってくれないけど、一応…。

ここで挙げた勉強法、難点は時間とお金がかかることです。
学会が作っているような本って高いんですよね。
でも皆さん、臨床は実践にはお金はかからないけど、勉強にはお金がかかるもんなんです(と学生時代にお世話になった千野美和子先生がおっしゃっておられました)。

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About Me

小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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