公認心理師 2019-40

2019年08月26日月曜日

問40は育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律について問うています。
略称は「育児介護休業法」です。
本法の成立・改正には、女性の社会進出、核家族化、少子化、それに伴う労働力不足、高齢化による介護問題、などが関連しておりますね。

問40 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律について、誤っているものを1つ選べ。
①配偶者が専業主婦(主夫)の場合は育児休業を取得できない。
②3歳に満たない子を養育する従業員について、労働者が希望すれば短時間勤務制度が利用できる。
③従業員からの申出により、子が1歳に達するまでの間に、申し出た期間、育児休業を取得できる。
④主婦で取得するなど、一定の要件を満たした場合、子が1歳2か月になるまで育児休業を取得できる。
⑤3歳に満たない子を養育する従業員から申出があった場合、原則として所定外労働をさせることはできない。

この法律ですが、読んでいて理解するのがとても難しかったです。
言いたいことは簡単なんですけどね。

改正されたところが問われているように思います。
ですので、厚生労働省のこちらのページなどを参照にしておきましょう。



解答のポイント

育児介護休業法の要点、特に最近改正されたポイントを中心に理解していること。



選択肢の解説


①配偶者が専業主婦(主夫)の場合は育児休業を取得できない。
④主婦で取得するなど、一定の要件を満たした場合、子が1歳2か月になるまで育児休業を取得できる。

これらは育児介護休業法の改正ポイントになっております。
複数ある改正ポイントの一つが「父親も子育てができる環境の実現」であり、そのために改正されたのが以下の点になります。
  • 父母がともに育児休業を取得する場合、1歳2か月(現行1歳) までの間に、1年間育児休業を取得可能とする(パパ・ママ育休プラス)
  • 父親が出産後8週間以内に育児休業を取得した場合、再度、育児休業を取得可能とする。
  • 配偶者が専業主婦(夫)であれば育児休業の取得不可とすることができる制度を廃止する
まず選択肢①については、労使協定を定めることにより、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合等の労働者からの育児休業申出を拒める制度を廃止し、専業主婦(夫)家庭の夫(妻)を含め、すべての労働者が育児休業を取得できるように改正されました

選択肢④については、育児介護休業法第9条の2「同一の子について配偶者が育児休業をする場合の特例」にその定めがあります。
引用しようかと思いましたが、めちゃくちゃ長いので要点だけ示します。
  • 労働者は、申し出ることにより、子が1歳に達するまで(子が1歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合には、子が1歳6ヶ月に達するまで)育児休業をすることができる。
  • 両親ともに育児休業を取得する場合、子が1歳2ヶ月に達するまでの間に1年間育児休業をすることができる
  • 育児休業を取得できる期間は、これまでどおり、1年間。すなわち、子が1歳2ヶ月までの間に、父の場合、育児休業期間の上限は1年間、母の場合、産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間となる
夫婦で育児休暇を取得する場合は、休む期間をばらけさせるのが想定されているということですね(不連続でもOKです)。
こちらの図でイメージしておきましょう。


これがいわゆる「パパ・ママ育休プラス」という制度になります。

以上より、選択肢④は正しいと判断でき、除外することが求められます。
また、選択肢①は誤っていると判断でき、こちらを選択することが求められます。



②3歳に満たない子を養育する従業員について、労働者が希望すれば短時間勤務制度が利用できる。

育児介護休業法第23条に以下の通り記載があります。
事業主は、その雇用する労働者のうち、その三歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていないものに関して、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の申出に基づき所定労働時間を短縮することにより当該労働者が就業しつつ当該子を養育することを容易にするための措置を講じなければならない。ただし、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうち育児のための所定労働時間の短縮措置を講じないものとして定められた労働者に該当する労働者については、この限りでない」

ただし、以下の場合は対象外とされます。
  • 日々雇用される労働者
  • 1日の所定労働時間が6時間以下の労働者
  • 労使協定で定めた場合は、勤続1年未満の労働者、週の所定労働日数が2日以下の労働者、業務の性質又は業務の実施体制に照らして短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者を対象から除外することができる。
こちらもキチンと把握しておきましょう。

ちなみに事業主は、以下の労働者の区分に応じて定める制度又は措置に準じて、それぞれ必要な措置を講じるよう努めなければなりません。
  1. 1歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしていないもの:
     ・始業時刻変更等の措置
  2. 1歳から3歳に達するまでの子を養育する労働者:
     ・育児休業に関する制度
     ・始業時刻変更等の措置
  3. 3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者:
     ・育児休業に関する制度
     ・所定外労働の制限に関する制度
     ・短時間勤務制度
     ・始業時刻変更等の措置
子どもの年齢によって講じるべき措置が変わってくるということですね。

以上より、選択肢②は正しいと判断でき、除外することが求められます。



③従業員からの申出により、子が1歳に達するまでの間に、申し出た期間、育児休業を取得できる。

そもそも育児休業の定義を理解しておくことが大切です。
育児休業とは、原則として1歳に満たない子を養育する労働者からの申し出により、子の1歳の誕生日の前日までの期間で、一人の子につき原則1回取得することができる制度のことを指します(例外あり。例外については他選択肢で)

このことは、育児介護休業法第5条に「育児休業の申出」として以下のような条項が定められています。
労働者は、その養育する一歳に満たない子について、その事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、次の各号のいずれにも該当するものに限り、当該申出をすることができる」

この法律には例外が沢山あるのでとてもややこしいのですが、あくまでも育児休業とは「原則として1歳に満たない子を養育する労働者からの申し出により、子の1歳の誕生日の前日までの期間で、一人の子につき原則1回取得すること」というのが基本ラインです
あとは夫婦の仕事状況や、子どもの年齢、夫婦で育児休業を取るタイミング等で細かく分けられているだけです。

以上より、選択肢③正しいと判断でき、除外することが求められます。



⑤3歳に満たない子を養育する従業員から申出があった場合、原則として所定外労働をさせることはできない。

育児介護休業法第16条の8には以下のように規定されています。
「事業主は、三歳に満たない子を養育する労働者であって、当該事業主と当該労働者が雇用される事業所の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、その事業所の労働者の過半数で組織する労働組合がないときはその労働者の過半数を代表する者との書面による協定で、次に掲げる労働者のうちこの項本文の規定による請求をできないものとして定められた労働者に該当しない労働者が当該子を養育するために請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはならない。ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」

このように労働組合云々という記述が途中に挟まってはいますが、本選択肢の内容と合致していると言えるでしょう
なお、条項内の「次に掲げる労働者のうちこの項本文の規定による請求をできないものとして定められた労働者」とは以下の場合です。
  1. 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者
  2. 前号に掲げるもののほか、当該請求をできないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
雇われたばかりの人は取得できないということですね。

ちなみに選択肢内にある「原則として」という表現は、条項内末文にある「ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」ということを踏まえてのものと考えられます。

以上より、選択肢⑤は正しいと判断でき、除外することが求められます。

Share /

0 件のコメント

コメントを投稿

About Me

小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

Followers

CONTACT

名前

メール *

メッセージ *

© 公認心理師・臨床心理士の勉強会
designed by templatesZoo