公認心理師 2018追加-104

2019年05月01日水曜日

医療法に定めるものについて、正しいものを1つ選ぶ問題です。

医療法は病院・診療所・助産所の開設・管理・整備の方法などを定めた法律です。
医療施設の定義、病床種、医療事故調査、医療計画などの医療に関する基本的事項をまとめた法律となります。



解答のポイント


医療法の「医療計画」「医療事故調査」について把握していること。



選択肢の解説


『①保健医療計画は市町村ごとに作成される』

こちらは医療法第30条の4第1項に規定されています。
都道府県は、基本方針に即して、かつ、地域の実情に応じて、当該都道府県における医療提供体制の確保を図るための計画(以下「医療計画」という)を定めるものとする

上記の通り、医療計画は市町村ごとではなく都道府県が定めることが示されています。
よって、選択肢①は誤りと判断できます。

ちなみに同条第2項には「医療計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする」とし、そのやるべき事項が以下の通り列挙されています。
  1. 都道府県において達成すべき第四号及び第五号の事業並びに居宅等における医療の確保の目標に関する事項
  2. 第四号及び第五号の事業並びに居宅等における医療の確保に係る医療連携体制(医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携を確保するための体制をいう)に関する事項
  3. 医療連携体制における医療提供施設の機能に関する情報の提供の推進に関する事項
  4. 生活習慣病その他の国民の健康の保持を図るために特に広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病として厚生労働省令で定めるものの治療又は予防に係る事業に関する事項
  5. 次に掲げる医療の確保に必要な事業(以下「救急医療等確保事業」という)に関する事項(ハに掲げる医療については、その確保が必要な場合に限る)
    イ 救急医療
    ロ 災害時における医療
    ハ へき地の医療
    ニ 周産期医療
    ホ 小児医療(小児救急医療を含む)
    ヘ イからホまでに掲げるもののほか、都道府県知事が当該都道府県における疾病の発生の状況等に照らして特に必要と認める医療
  6. 居宅等における医療の確保に関する事項
  7. 地域における病床の機能の分化及び連携を推進するための基準として厚生労働省令で定める基準に従い定める区域(以下「構想区域」という)における次に掲げる事項を含む将来の医療提供体制に関する構想(以下「地域医療構想」という)に関する事項
    イ 構想区域における厚生労働省令で定めるところにより算定された第三十条の十三第一項に規定する病床の機能区分ごとの将来の病床数の必要量(以下単に「将来の病床数の必要量」という)
    ロ イに掲げるもののほか、構想区域における病床の機能の分化及び連携の推進のために必要なものとして厚生労働省令で定める事項
  8. 地域医療構想の達成に向けた病床の機能の分化及び連携の推進に関する事項
  9. 病床の機能に関する情報の提供の推進に関する事項
  10. 医療従事者の確保に関する事項
  11. 医療の安全の確保に関する事項
  12. 主として病院の病床(次号に規定する病床並びに精神病床、感染症病床及び結核病床を除く)及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項
  13. 二以上の前号に規定する区域を併せた区域であつて、主として厚生労働省令で定める特殊な医療を提供する病院の療養病床又は一般病床であつて当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての区域の設定に関する事項
  14. 療養病床及び一般病床に係る基準病床数、精神病床に係る基準病床数、感染症病床に係る基準病床数並びに結核病床に係る基準病床数に関する事項
全部覚えるのは難しいと感じますが、医療計画の概要くらいは押さえておいた方がよいということですね。



『②三次医療圏は都道府県の区域を単位として設定される』

医療圏とは、地域の実情に応じた医療を提供する体制を確保するために、都道府県が設定する地域単位を指します
都道府県は、医療計画の中で、病院の病床及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する医療圏を定めることとされています。

こちらは医療法第30条の4第7項に医療計画の事項の一つとして以下のように規定されています。
地域における病床の機能の分化及び連携を推進するための基準として厚生労働省令で定める基準に従い定める区域(以下「構想区域」という)における次に掲げる事項を含む将来の医療提供体制に関する構想(以下「地域医療構想」という)に関する事項

医療圏は、日常生活に密着した保健医療を提供する一次医療圏(基本的に市町村単位)のほか、 二次医療圏、三次医療圏の設定が医療計画ではなされています

二次医療圏は、一体の区域として病院等における入院に係る医療を提供することが相当である単位として設定され、その際、以下の社会的条件を考慮しています。
こちらでは、健康増進・疾病予防から入院治療まで一般の入院に係る医療を提供しています。
医療法第30条の4第12項に「主として病院の病床及び診療所の病床の整備を図るべき地域的単位として区分する区域の設定に関する事項」と示されているのが二次医療圏となります。

対して三次医療圏は、先進的な技術を必要とする特殊な医療に対応しています。
医療法第30条の4第13項に「二以上の前号に規定する区域を併せた区域であつて、主として厚生労働省令で定める特殊な医療を提供する病院の療養病床又は一般病床であつて当該医療に係るものの整備を図るべき地域的単位としての区域の設定に関する事項」と示されているのが三次医療圏となります。

ここで言う「特殊な医療」とは、例えば、臓器移植等の先進的技術を必要とする医療、高圧酸素療法等特殊な医療機器の使用を必要とする医療、先天性胆道閉鎖症等発生頻度が低い疾病に関する医療、広範囲熱傷・指肢切断・急性中毒等の特に専門性の高い救急医療などが該当します。

三次医療圏は、都道府県の区域を単位として設定していますが、都道府県の区域が著しく広いことその他特別な事情があるときは、複数の区域又は都道府県をまたがる区域を設定することができることになっており、そのため北海道のみ6医療圏(他都府県は1つずつ)になっています

区域の設定については「都道府県の区域を単位として設定すること。ただし、当該都道府県の区域が著しく広いことその他特別な事情があるときは、当該都道府県の区域内に二以上の当該区域を設定し、また、当該都道府県の境界周辺の地域における医療の需給の実情に応じ、二以上の都道府県の区域にわたる区域を設定することができる」(医療法施行規則第30条の29第2項)と規定されています。

よって、選択肢②は正しいと判断できます。



『③医療事故調査制度は医療事故の責任の明確化を目的とする』

医療事故調査制度は、平成26年6月18日に成立した医療法の改正に盛り込まれた制度です(施行は平成27年10月1日)。
医療事故が発生した医療機関において院内調査を行い、その調査報告を民間の第三者機関(医療事故調査・支援センター)が収集・分析することで再発防止につなげるための医療事故に係る調査の仕組みです
医療事故調査制度の目的としては、医療法の中で以下のとおり規定されています。

この点については医療法第6条の11に「病院等の管理者は、医療事故が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、速やかにその原因を明らかにするために必要な調査(以下この章において「医療事故調査」という)を行わなければならない」とされています。

また医療法第6条の16には「医療事故調査・支援センターは、次に掲げる業務を行うものとする」として以下が規定されています。
  1. 第六条の十一第四項の規定による報告により収集した情報の整理及び分析を行うこと
  2. 第六条の十一第四項の規定による報告をした病院等の管理者に対し、前号の情報の整理及び分析の結果の報告を行うこと
  3. 次条第一項の調査を行うとともに、その結果を同項の管理者及び遺族に報告すること
  4. 医療事故調査に従事する者に対し医療事故調査に係る知識及び技能に関する研修を行うこと。
  5. 医療事故調査の実施に関する相談に応じ、必要な情報の提供及び支援を行うこと
  6. 医療事故の再発の防止に関する普及啓発を行うこと
  7. 前各号に掲げるもののほか、医療の安全の確保を図るために必要な業務を行うこと。
これらの事柄から、医療事故調査の目的は医療の安全を確保するために医療事故の再発防止を行うことであり、責任追及を目的としたものではないことがわかります

以上より、選択肢③は誤りと判断できます。



『④医療施設は病床を有する病院と病床を有さない診療所とに区分される』

医療法における病院および診療所の定義については、第1条の5に以下の通り規定されています。
  1. この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。
  2. この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう
以上より、病院と診療所の弁別点は病床を有するか否かだけではないことがわかります。
入院施設があっても、それが小規模(19人以下)であれば「診療所」と称されることになるわけです。

よって、選択肢④は誤りと判断できます。



『⑤医療事故調査制度は医療に起因すると疑われるすべての死亡事故を対象とする』

こちらは医療法第6条の10に以下の通り規定されています。
「病院、診療所又は助産所の管理者は、医療事故(当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であつて、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかつたものとして厚生労働省令で定めるものをいう)が発生した場合には、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、当該医療事故の日時、場所及び状況その他厚生労働省令で定める事項を第六条の十五第一項の医療事故調査・支援センターに報告しなければならない」

上記の通り、医療事故とは「医療に起因した死亡・死産であること」に加えて「病院の管理者がその死亡・死産を予期しなかったとされるもの」ということになります
選択肢にある「医療に起因すると疑われるすべての死亡事故」ではなく、予期しなかったものという条件が付いていることも把握しておきましょう

医療事故調査についてはこちらのページが法律も含めて詳しいです。

以上より、選択肢⑤は誤りと判断できます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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