公認心理師 2018追加-46

2019年02月12日火曜日

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律〈労働者派遣法〉について、正しいものを1つ選ぶ問題です。

このテーマについては、受験前に調べていました。
こちらの記事をご覧ください。
やはり社会的な関心事については押さえておきたいところですね。

大まかな派遣についての流れを捉えておくと覚えやすいと思います。
大雑把にいうと以下の通りです。
  1. 元々派遣は専門性の高い業種にしか許されていませんでした。
  2. しかしその後、時代の流れによって専門性の高い業種が増えました(26+2業種)。
  3. 派遣の仕事をしたい人、派遣を雇いたい企業が増え、法改正によって「ほとんどの業務で派遣雇用が可能」になりました。
    この専門26業種以外を「自由化業務」と呼びます。
  4. この時点では、専門26業種は期限無し、自由化業務は3年の期間制限がありました。
  5. 2015年の法改正により、専門26+2業務が廃止されました。
    これにより専門26+2業種と自由化業務の区別が無くなり、期間制限については「事業所単位」と「個人単位」という分類で期間制限3年のルールになりました。
こうした流れを頭に入れておけば、かなり解きやすくなると思われます。



解答のポイント


労働者派遣法の改正の流れについて把握していること。
いわゆる3年ルールについて把握していること。



選択肢の解説


『①派遣労働者本人からの意見を聴取すれば、派遣労働者を3年を超えて派遣できる』

労働者派遣法第40条の2第1項には以下のように記載があります。
「派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(一定の業務を除く)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない」
上記の派遣可能期間は原則1年で、派遣先の労働者の過半数で組織する労働組合等から意見聴取した上で最長3年となっています

すなわち、同じ事業所で3年を超えて働くことは、基本的にできません
一定の手続を経れば3年を超えて働くことはできますが、異なる「課」などへ異動することが必要となります

この「一定の手続き」については、労働者派遣法第40条の2第4項に記載されています。
「派遣先は、派遣可能期間を延長しようとするときは、意見聴取期間に、厚生労働省令で定めるところにより、過半数労働組合等(当該派遣先の事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者をいう)の意見を聴かなければならない

以上のように、3年を超えて派遣することはできますが、過半数労働組合等の意見を聴くことが必要であり、派遣労働者本人の意見は求められません
よって、選択肢①は誤りと判断できます。

ちなみに、3年目以降については企業が以下の「雇用安定措置」を取ることになります。
  1. 派遣先への直接雇用の依頼
  2. 新たな派遣先の提供(合理的なものに限る)
  3. 派遣元での(派遣労働者以外としての)無期雇用
  4. その他安定した雇用の継続を図るための措置
上記の「雇用安定措置」は、更新時に派遣見込みが3年を超える場合に「法的義務」が発生します
それに対して、更新時に派遣見込みが1年以上となる場合は「努力義務」が発生します。



『②専門的知識や技術を必要とする26の業務に限り、派遣労働者を3年を超えて派遣できる』

専門26業種とは、その人の技術や知見によって仕事の成果が大きく変わってしまうような専門性の高い仕事のことを指します。
専門26業種以外の仕事では、派遣社員を受け入れられる期間は最長3年間と決まっていました。
一方、2015年までの労働者派遣法では、専門知識や技術などを要する専門26業種は、例外として上限3年というルールが設けられていませんでした

しかし2015年の労働者派遣法の改正により、このルールは廃止されました。専門26業種であっても3年を超えたら受け入れてはいけないということになったのです
業種関係なく雇用契約の期間は3年に統一されたということです。

以上より、選択肢②は誤りと判断できます。

余談ですが、こちらは28業種と記載している情報も多くあります。
もともと派遣は「安価な労働力を提供する」という趣旨ではなく、「専門性の高い領域の人を短期間雇用する」という目的がありました(現在とは逆な感じですね)。

ですからかつては派遣できる業種は少なかったわけですが、時代の流れによって専門性が高いとされる業種が増えて、26業種になり、その後26業種が細かく派生して28業種になったとされています。



『③60歳以上の派遣労働者を派遣する場合は、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し、3年を超えて派遣できる』

すでに述べたとおり、派遣先企業には「期間制限」があります。
派遣先企業の同一事業所が派遣社員を受け入れられる期間は、原則3年が限度となり、3年を超えて派遣社員を受け入れたい場合は、労働組合などからの意見を聞く必要があります(個人単位の期間制限も3年です)。

ただし、以下の場合は期間制限がないということになります。
  1. 無期雇用の派遣社員
  2. 60歳を超えている派遣労働者 
  3. 有期プロジェクト業務(終わる時期が明確なもの)
  4. 日数限定業務(派遣先の所定労働日数よりも相当程度少なく月10日以下)
  5. 産前産後・育児・介護休業代替業務
上記の3~4については、常用雇用の代替のおそれが客観的に低い業務とされています。
かつては26業種もこの中に入っていましたが、現在は除外されていますね。

以上より、選択肢③が正しいと判断できます。



『④事業所単位で派遣可能期間の延長があれば、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し、3年を超えて派遣できる』

労働者派遣法改正によって、現在の期間制限(派遣期間の上限を原則1年(最長3年)とするもの)が見直されました。
施行日以後に締結/更新される労働者派遣契約では、すべての業務に対して派遣期間に以下の2種類の制限が適用されました。
  1. 派遣先事業所単位の期間制限:
    派遣先の同一の事業所に対し派遣できる期間(派遣可能期間)は、原則3年が限度となります。
  2. 派遣労働者個人単位の期間制限:
    同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位に対し派遣できる期間は3年が限度となります
本選択肢は、上記の「事業所」と「組織単位」の考え方が問われています。

事業所とは、以下を指します。
  • 工場、事務所、店舗等、場所的に独立していること
  • 経営の単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
  • 施設として一定期間継続するものであること
これらの観点から実態に即して判断されることになります。

一方で、組織単位とは、以下を指します。
  • いわゆる「課」や「グループ」などを想定しており、
  • 業務としての類似性、関連性があり、
  • 組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有する
これらの観点から実態に即して判断されることになります。

つまりAさんが3年間を超えて同一の組織単位(例えば、人事課)で勤めることはできませんが、異なる組織単位(同じ会社の、例えば、会計課)で勤めることは可能です
この際も、過半数労働組合等の意見聴取が必要となります。

以上のように、選択肢にある「同一の組織単位に3年を超えて」は不可能です。
あくまでも「異なる組織単位」ならば可能であるということです。

よって、選択肢④は誤りと判断できます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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