公認心理師 2018追加-1

2019年01月31日木曜日

公認心理師の登録取消しの事由として、正しいものを1つ選ぶ問題です。

簡単なように見えて、けっこう複雑な問題でした。
ひっかけがあちらこちらに潜んでいるような。




解答のポイント


公認心理師法第32条の内容を把握している。
第32条と関連する条項について、しっかりと把握している。



選択肢の解説


『①成年被後見人になった』

公認心理師法第32条には「登録の取消し等」として、その事由が定められています。
その第一号には「第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合」とされています。

公認心理師法第3条の「欠格事由(該当する者は、公認心理師となることができない)」として、以下が挙げられています。
  1. 成年被後見人又は被保佐人
  2. 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
  3. この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
  4. 第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
選択肢①は上記の項目1に該当します。
公認心理法第32条→第3条という流れで考えていくことが求められている選択肢ですね。

ちなみに成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所より後見開始の審判を受けた者を指します(民法7条、8条)。

以上より、選択肢①が正しいと言えます。



『②民事裁判の被告になった』

公認心理師法第32条の「登録の取消し等」では、その事由が定められています。
  1. 第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合
  2. 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
  3. (第2項)文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。
まず一つひとつ見ていきましょう。

第32条第1号で示されている、第3条の内容として合致しそうなのが第2号と第3号です。
第2号は「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者」となっています。
第3号は「この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者」とあります。
これらはいずれも刑罰や行政罰の結果を示しているので、選択肢の「民事裁判」という表現とは合致しません

第2号は本選択肢と関連が無いので大丈夫ですね。

第32条第2項の内容は、第40条(信用失墜行為の禁止)、第41条(秘密保持義務)、第42条第2項(医師との連携)を指しています。
ここで重要なのが、上記に違反すれば登録取消しの事由になりますし、上記に違反することで民事でも訴えられる可能性はあります
ですが、それ以外でも民事で訴えられることはあり得ますし、それが即座に第40条などに違反するとは言えないでしょう。

例えば、言いがかりに近い形で民事裁判で訴えられることもあるでしょう。
それで即座に登録取消しになってしまうとすると、なかなか厳しいものがありますよね。

以上より、選択肢②は誤りと判断できます。



『③クライエントの信頼を失った』

公認心理師法第32条の「登録の取消し等」では、その事由が定められています。
  1. 第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合
  2. 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
  3. (第2項)文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。
ここで重要なのは、選択肢③の「クライエントの信頼を失った」を公認心理師法第40条と見誤らないことです。
公認心理師法第40条には「信用失墜行為の禁止」として「公認心理師は、公認心理師の信用を傷つけるような行為をしてはならない」と定められています。

下線部にあるように第40条は「クライエントの信頼」ではなく「公認心理師の信頼」です。
すなわち、公認心理師という資格に対する信頼を失うような行為を禁止していると読み取るのが適切であり、「クライエント」と限定した読み方をするのは誤りです。

選択肢の内容を第40条とイコールにしてしまうと、第32条に抵触するのでこちらも正しいとなってしまいます。
第32条と第40条の内容をきちんと把握していることが求められる問題と言えましょう。

以上より、選択肢③は誤りと判断できます。



『④スーパービジョンを受けなかった』

公認心理師法第32条の「登録の取消し等」では、その事由が定められています。
  1. 第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合
  2. 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
  3. (第2項)文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。
選択肢④の「スーパービジョン」は、資質向上の責務を指していると考えられます。
公認心理師法第43条に「資質向上の責務」として「公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」と定められています。

しかし、上記の第32条にもあるように、第43条のは登録取消し事由として含まれておりません
よって、選択肢④は誤りと判断できます。



『⑤保健医療、福祉、教育等の担当者と連携しなかった』

選択肢の内容は、公認心理師法第42条第1項に「連携等」として、「公認心理師は、その業務を行うに当たっては、その担当する者に対し、保健医療、福祉、教育等が密接な連携の下で総合的かつ適切に提供されるよう、これらを提供する者その他の関係者等との連携を保たなければならない」と定められています。

公認心理師法第32条の「登録の取消し等」では、その事由が定められています。
  1. 第三条各号(第四号を除く)のいずれかに該当するに至った場合
  2. 虚偽又は不正の事実に基づいて登録を受けた場合
  3. (第2項)文部科学大臣及び厚生労働大臣は、公認心理師が第四十条、第四十一条又は第四十二条第二項の規定に違反したときは、その登録を取り消し、又は期間を定めて公認心理師の名称及びその名称中における心理師という文字の使用の停止を命ずることができる。
よって、第42条第1項は登録取消しの事由とはならないと言えます。

ちなみに第42条第2項には「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」とされています。
こちらについては、第32条第2項に該当しますので、登録取消し事由となります。

しかし、選択肢⑤の内容は同条第2項ではなく、第1項を指していると読めますので、こちらは該当しません。
以上より、選択肢⑤は誤りと判断できます。

Share /

0 件のコメント

コメントを投稿

About Me

小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

Followers

CONTACT

名前

メール *

メッセージ *

© 公認心理師・臨床心理士の勉強会
designed by templatesZoo