公認心理師 2018-20(修正・最終版)

2018年12月24日月曜日

この問題については以前解説を行いましたが、以下の通り修正します。
以前の記事をご確認のうえで、以下を読み進めて頂けると幸いです。

本問は「正しいものを1つ選ぶ」問題でしたが、問題が瑕疵があったということで「正しいものが2つ」存在したということになります。
正答は選択肢③および選択肢④になります。

解説では選択肢③を正答とし、選択肢④を誤りと考えて解説を作りました。
ここでは、選択肢④を誤りとした判断を修正し、正しい選択肢として解説を再度行っていきます。



選択肢④を誤りと間違って判断してしまった理由とその修正

以前の解説を読んでみると選択肢④を誤りと判断した理由として「多くの要因が絡み合い生じる現象であるため、選択肢④にある「健康な自我の働きを支える」ということのみで支援が可能とは言い難い」としております。

正直なところ少し苦しい説明ですね。
(誤りでないものを誤りと見做そうとしているわけですから当然ですが)

実は選択肢④が「誤りとは言えない」と判断できる情報が、選択肢③の解説内に含まれております。
選択肢③の解説内で、ウォーデンの「グリーフカウンセリングを行う場合のガイドライン」を以下のように示しています。
  1. 喪失が現実に起こったことと認識するのを援助する。
  2. 遺された人が自らの感情を確認し、味わうのを援助する。
  3. 「故人がいない世界」で生きることを援助する。
  4. 喪失体験の意味を見出す援助をする。
  5. 故人の情緒的な位置付けのやり直しを促進する。
  6. 悲嘆の営みに時を与える。
  7. 「普通の」悲嘆行動について説明する。
  8. 悲嘆には個人差があることを考慮する。
  9. 防衛とコーピングスタイルを検討する。
  10. 病的悲嘆を見出し、より詳しい専門家に紹介する
下線部は「病的悲嘆への対処も、対象喪失に伴う悲嘆反応に対する心理的支援の一つである」ということの傍証と言えると思います。

また、山本力(1996)によると「一般的に、自我の脆弱な人に死別を含む深刻な喪失が襲うと、精神医学的な病態が出現しやすいといえよう」としており、自我の強さが病的悲嘆の出現と関連していることが示されております。
この点は、古くからフロイトが「病的なうつは正常な悲哀の病的防衛であり、この防衛は自己愛段階(口愛期)への自我と対象関係の退行を基本機序とする」と定式化しております。

このことからも、選択肢④の「健康な自我の働きを支える」という支援は合理性のあるものと判断できます。
ちなみに自我機能についてはハルトマンの研究が有名ですし、ベラックが自我機能をまとめてもいますね。



振り返って

本問の解説は「選択肢③」が明らかに正答であるという前提のもと書いた記憶があります。
ですから、無理やり「正答」を「誤り」に持っていっている感じがどうしても強くなってしまいますね。

「1つ選べ」とされている中、明らかな正答が見つかった時に、それ以外の選択肢が誤りであるという前提を疑うこと。
これができるようになりたいものです。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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