公認心理師 2018-77(修正・最終版)

2018年11月30日金曜日

この問題については以前解説を行いましたが、以下の通り修正します。
以前の記事をご確認のうえで、以下を読み進めて頂けると幸いです。

本問は選択肢②および選択肢⑤を正答と捉えておりましたが、公式回答では選択肢②ではなく選択肢④が正答となるとのことでした。
よって、選択肢④および選択肢⑤が正答となります。

ここでは、選択肢②を「適切」とした判断の修正と、選択肢④を「不適切」とした判断の修正を行っていきます。




選択肢②を「適切」とした判断の修正

選択肢②については、元々の記事で問題点の指摘を行っていました。
  1. 産業カウンセラーが情報提供依頼書を出してよいのか。
  2. Aの許可を得たという記述がない。
上記1番については、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」の中で「「産業医等」とは、産業医その他労働者の健康管理等を行うのに必要な知識を有する医師」を指すとしております。
この点から「公認心理師が主治医宛に情報提供書を作成する」が誤りではないかと考えることができました

こちらについては「中小規模事業所におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する研究」によると産業医がいない場合には、情報提供依頼書は「会社側の窓口担当者」が作成・提出することになります。
そちらをもって1番をクリアしたこととしましたが、ちょっと苦しかったかもしれません。
なにせ、選択肢⑤には明確に「産業医にこれまでの経緯を話し」との記載があり、産業医の存在が示されていますから…。

更に2番については、「主治医との連携にあたっては、事前に当該労働者への説明と同意を得ておきます」と明示されており、労働者本人の許可のないままに情報提供依頼書を出すのは不適切な行為です。

こちらについては「作成するだけなら、公認心理師でも大丈夫では…」という見解で解説を書きましたが、素直に読めば、こちらも不適切と判断できる箇所になります。

振り返ってみると、かなり強引に選択肢②を「適切」に持っていこうとしています。
素直に読めば、選択肢②を「不適切」とまではいかなくても「適切とは言えない」となったはずです。

こちらには一応理由があって、次の選択肢④がどうしても「適切」とは思えなかったことに起因しています。



選択肢④を「不適切」とした判断の修正

何より重要なのが、選択肢④は法律や「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」と照らして全く問題がないということです。
この点は元々の記事でも「ただし、この内容が法律的に誤りであるという箇所は見受けられませんので、以下の選択肢②の解釈によっては、こちらが適切な解答とみなすことになるかもしれません」としております。

一方で、やはりAが「復職可能との診断書をもらった」と言っていること以外何もわかっていない状況において、選択肢④の対応は性急すぎる気がしていました

職場復帰の可否の判断については、
  • 産業医等による主治医からの意見収集:産業医等は労働者の同意を得た上で、必要な内容について主治医からの情報や意見を収集します。
  • 労働者の状態等の評価:治療状況及び病状の回復状況、業務遂行能力、今後の就業に関する労働者の考え、家族からの情報。
などが重要であるとされていますが、こちらについての記述がみられず、その状態で復職の手続を進めてよいものか大いに疑問がありました。

すなわち選択肢④の内容は「この対応は法律的には間違っていないと言えるが、臨床的な判断としてはいかがなものか」という印象を受けていました。

しかしよくよく読んでみると、「休業してからも時折、Bには近況を伝える連絡があった」と記載されており、その点からAが焦って動いている可能性が低いと判断できていた、Aの状態の情報収集ができていたと判断することも可能だと言えます。
以前の解説では「休業してからも時折、Bには近況を伝える連絡があった」という記述をあまり重視せずにいましたが、これは大きな誤りでしたね。

上記より、選択肢④を「適切」と判断することができます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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