公認心理師 2018-55

2018年10月02日火曜日

向精神薬とその副作用の組合せで、正しいものを2つ選ぶ設問です。
医療系に携わっておられる方なら問題ないのかな、と思います。

主に「臨床精神薬理ハンドブック 第2版」を参考にしつつ、解説を作成しております。




解答のポイント

向精神薬の副作用を把握していること。



選択肢の解説


『①抗不安薬 – 身体依存』

抗不安薬は常用量を反復使用しただけでは精神依存は起こっても身体依存を見ることはないとされてきましたが、長期使用や大量使用により身体依存が生じることが明らかになっています。

反復使用によって耐性が、過剰投与ではGABA神経系の抑制が生じるために依存が生じるとされています
中止や急激な減量によって、退薬症状が生じるとされており、症状再燃、反跳現象(投与前よりも症状が悪化する)、治療前にはなかった症状が発生する離脱症状などに分類されます

以上より、選択肢①は正しいと言えます。


『②炭酸リチウム – 甲状腺機能亢進症』

リチウム投与初期に起こる副作用としては、吐気、手指の振戦、口渇、頻尿、多尿、腹部不快感などであり、リチウム内服によって血中濃度の最高最低差が大きくなることが原因とされています。
これ以外にも、体重増加、下痢、浮腫などが、比較的頻度の高い副作用です。

上記以外にも心臓、甲状腺、腎機能などの内蔵機能に影響を与えることが知られています。
リチウム療法中に甲状腺腫を見たり、甲状腺機能低下が見られることが古くから指摘されています

以上のように、選択肢②の内容は誤りであると言えます。


『③非定型抗精神病薬 – 体重減少』

治療開始後比較的初期において、精神症状の改善と相関を持って体重増加が見られるとされています

抗ヒスタミン作用や抗セロトニン作用による食欲亢進が原因と考えられています。
低力価薬物の方が高力価薬物よりも体重増加作用が強いです。

対策として、原因薬物の減量、運動療法、食事療法などがあります。
以上のように、選択肢③の内容は誤りと言えます。


『④メチルフェニデート – 食欲亢進』

これは商品名「コンサータ」に該当します。
ADHDなどで処方されることが多いですね。

投与開始初期に、頭痛、潮紅、動悸、口渇、食思不良、悪心などが生じることがあるとされています。
よって選択肢④の内容は誤りと言えます。


『⑤選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI> – 賦活症候群』

賦活性症候群とは、抗うつ薬により誘発される中枢刺激症状の総称です。
比較的軽度の神経過敏から自殺関連行動まで、程度の異なる様々な症状が含まれます。

多くの抗うつ薬で生じるものの、従来の抗うつ薬よりも鎮静作用の少ないSSRIや一部のSNRIの登場により、副作用として広く注目されるようになりました。
不安、焦燥、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、衝動性、アカシジア、軽躁、躁状態にまで及びます。

原因薬物の中止や減量、抗不安薬や抗精神病薬の投与が有効とされています。
以上より、選択肢⑤の内容は正しいと言えます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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