公認心理師 2018-25

2018年10月02日火曜日

自律神経系、特に交感神経と副交感神経の役割に関する問題です。

神経系は大きく中枢神経系(脳と脊髄にあるすべてのニューロンを含む。正確には大脳・小脳・脳幹・脊髄から構成)と、末梢神経系(脳と脊髄を、身体の他の部分と連結している神経)に分けられます。


そして末梢神経系は、体性神経系(メッセージを感覚受容器、筋肉、身体表面と相互にやり取りする)と、自律神経系(内臓や内分泌腺とつながっている)に分けられます。

この自律神経系は、「交感神経系」と「副交感神経系」に分かれています。
交感神経は戦う神経ですね(副交感神経は、落ち着いている時の神経ですね)。
リポビタンDのCMにある「ファイト~いっぱーつ」のメロディで、「ファイト~こーかーん」で覚えています。

交感神経系は通常、強い興奮状態で活動します。
まとまって働くことが多いとされ、興奮すると、心拍を速め・骨格筋や心臓の動脈を拡張し・皮膚や消化器官の動脈を収縮し発汗を促すとされています。

副交感神経系は通常、休息時に働きます。
1回に一つの器官に作用することが多いとされ、一般に身体資源を保存及び保護する機能を維持するとされています(心拍数の減少・呼吸を遅くする→交感神経系よりも少ないエネルギー消費で済む)。

内臓は一部の例外を除いて交感神経と副交感神経の二重支配を受けます。
一方が促進的に、他方は抑制的にという拮抗支配が基本です。

中井久夫先生が、暴力的な場面での性交のメカニズムについて、本来的には困難なはずと述べておられます。
これは男性生殖器の勃起には副交感神経が、射精には交感神経が関わっており、これらの急速な交代が必要であること(拮抗支配があること)と、それが強制性交のような交感神経優位な場面で可能であることへの疑問だと思われます。



解答のポイント

交感神経と副交感神経の役割について理解していること。
各々の役割に沿って、各内臓や身体部位の反応を意味付けつつ覚えていること。

以下の図を参照にしておくとよいでしょう。




選択肢の解説


『①交感神経の活動が亢進すると、気道が収縮する』

気管支系の収縮は副交感神経優位であり、気管支拡張は交感神経優位となります。
戦う神経が交感神経ですから、気道の拡張をすることで、激しい運動に伴う呼吸を可能にしていると言えます。
よって、選択肢①の内容は誤りと言えます。



『②交感神経の活動が亢進すると、血圧が上昇する』

心臓の機能を交感神経系が促進し、副交感神経系が抑制します。
交感神経が亢進すると、心拍数増加・心筋収縮力上昇となるので、結果として血圧の上昇が生じます。
よって、選択肢②は正しいと言えます。



『③副交感神経系の活動が亢進すると、瞳孔が散大する』

瞳孔散大筋の収縮は交感神経系優位で生じます。
瞳孔は網膜に投射する光量の調整に寄与しています。
戦う状態では、瞳孔を広げ多くの情報を取り入れること(周りの明るさに関係なく)が重要になると思われます。
この時には、目がよく見えるように涙の分泌が減ります(こちらは副交感神経系ですね)。
よって、選択肢③の内容は誤りと言えます。



『④副交感神経系の活動が亢進すると、発汗が減少する』

発汗は交感神経系が関連しており、例えば発汗障害は交感神経系の障害で生じるとされています。
よって、選択肢④の内容は誤りと言えます。



『⑤ストレスが加わると、副交感神経系の活動が亢進する』

一般にストレスが加わる状況は緊張状態にあると考えることができます。
この状態で働くのは交感神経系と考えるのが妥当であると言えます。
よって、選択肢⑤の内容は誤りと言えます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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