公認心理師 2018-6

2018年09月11日火曜日

記憶の系列位置効果に関する問題です。
系列位置効果について知っているのは前提で、より細かい部分が出題されていました。



解答のポイント

系列位置効果に関する基本的な理解ができていること。
初頭効果・親近効果が生じるシステムを、長期記憶・短期記憶という記憶システムと絡めながら理解していること。


選択肢の解説


『②系列再生法を用いた記憶の実験によって示されるものである』

そもそも系列位置効果とは、自由再生法の実験によって観察されるものである。
自由再生法とは、呈示された単語を「思い出した順に再生させる方法」である。
このような実験を行うと、単語の呈示された系列位置によって再生率に差異が生じるとされている。

なお、本選択肢にある『系列再生法』とは、一定の順序をもって再生する(ここでは呈示された順を守って再生を求める)方法である。
よって、本選択肢は誤りである。


『⑤系列位置ごとの再生率を折れ線グラフとして表した系列位置曲線は、U字型になる』

10個~15個くらいの簡単な単語を1語ずつ一定の速度で提示し、提示された単語を思い出した順に再生させると、単語の呈示された系列位置によって再生率に差異が生じる。

通常は、リストの初頭部と終末部の単語の再生率が高くなり、中間部の再生が悪いという凹型の系列位置曲線が得られるとされる。
よって、本選択肢は正しい。


『①初頭効果は、学習直後に遅延を置くと消失する』

リストの呈示後10秒~30秒程度の遅延時間を挿入し、その後に再生を求めると、系列位置曲線に影響が生じる。
リストの初頭部および中央部の再生率は影響を受けないが、終末部の再生率は低下し、いわゆる親近性効果が消滅してしまう
よって、本選択肢は誤りである。


『④学習段階で単語の呈示時間を長くすると、リスト中間部の再生率は低下する』

①に対し、記憶材料の使用頻度や呈示速度を操作すると、初頭効果の大きさとリスト中間部の成績は変化するが、親近性効果には影響が出ないことが明らかにされている。
単語の呈示時間を早くすると、初頭効果と中間部の再生率は低下し、逆に呈示時間を長くすると初頭効果と中間部の再生率は上昇する。
よって、本選択肢は誤りである。


『③親近効果は、長期記憶に転送された情報の量を反映したものである』

これまでの内容から系列位置効果は「短期記憶と長期記憶の2つの記憶システムの機能を反映している」と見ることが可能である。

つまり、初頭項目は中間部の項目よりも多数回リハーサルされたり深く処理されるために長期記憶になりやすく、そのため再生率が高い。
これに対し、親近項目は短期記憶から直接検索されるために再生が優れていると捉えることができる。
よって、本選択肢は誤りである。


なお、系列位置効果とは初頭効果と親近効果を合わせての名称である。
系列位置効果は長期記憶・短期記憶システムと併せて覚えておくことによって、本設問で問われたような内容にも対応することが可能になる。
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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
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