公認心理師 2018-24

2018年09月22日土曜日

パーキンソン症状が出現しやすい疾患を問う問題です。
主に認知症の症状理解ということになるかと思います。

アルツハイマー病やパーキンソン病は「神経変性疾患」と呼ばれ、神経細胞の中で特定の神経細胞群が選択的に徐々に脱落し、認知機能障害と運動機能障害を呈する疾患の一群を言います。


共通特徴として、神経細胞内に異常たんぱく質の蓄積が認められることです。
異常たんぱく質は細胞毒性を持つため、蓄積すると細胞死を引き起こすとされています。


解答のポイント

代表的な認知症の症状について理解していること。


選択肢の解説


『①進行麻痺』

梅毒による中枢神経系の感染性疾患の一つを指します。
現在は、ペニシリン治療によって患者は劇的に減少しています。
感染後、15年程度経過してから発病するとされ、脳の神経細胞が脱落し、前頭葉や側頭葉に強い委縮が生じます。

精神症状としては、注意力低下、言語障害、判断・理解力低下、記憶障害、見当識障害などの認知症様症状を呈します。
神経症状としては、共同運動障害、反射の亢進、四肢の麻痺、瞳孔異常などです。
よって、選択肢①の内容は適切ではありません。


『②意味性認知症』

前頭葉や側頭葉前方に委縮の中心が認められる変性疾患を包括した臨床病理学的概念として「前頭側頭葉変性症」があります。

臨床症状は、アルツハイマー型認知症と比較してエピソード記憶や視空間認知機能が保たれているのが特徴です。
一方で、発病初期から脱抑制やある特定の行動を繰り返す情動行動などの行動異常、共感や感情移入の欠如、味覚変化、遂行機能障害やアパシー、失語症を呈します。

この「前頭側頭葉変性症」には3つの臨床亜型があります。

  1. 行動異常型前頭側頭型認知症:前頭葉を中心に委縮して行動異常を特徴とする。
    (いわゆるピック病と基本的に同じ病態と見てよい)
  2. 進行性非流暢性/失文法性失語:進行性の非流暢性あるいは失文法性失語を呈する。
  3. 意味性認知症初期には語義失語を呈して徐々に物の意味が失われていく。
    側頭葉前部領域の強い萎縮がみられ、意味記憶(社会全般の一般的な知識)に関する記憶の障害を示す進行性の病態。
    意味記憶障害に対してエピソード記憶は比較的よく保たれる。
    発語は流暢であり音韻性錯語や文法的な誤りは認められない

以上より、選択肢②の内容は適切ではないと言えます。


『③前頭側頭型認知症』

いわゆるピック型認知症を指します(ピック球が沈着するから)。
上記にもありますが、前頭葉から側頭葉に集中して脳が委縮します。

臨床症状としては、高度の性格変化、社会性の喪失や注意、抽象性、計画、判断などの能力低下で特徴づけられます。
常同行動(食行動パターンなど)、ちゃんと考えずに返事しちゃう(日常会話で「わからん」とすぐ言うので、検査結果との齟齬が出やすい)、脱抑制が目立つなど。
こちらにも複数の亜型があるとされています。

以上より、選択肢③の内容は適切ではないと言えます。


『④Lewy小体型認知症』

日本人が発見した認知症で、アルツハイマー型の次に発症頻度が高いとされています。
脳にレビー小体が蓄積するレビー小体病の中で、認知症を主症状とするものを指します。

一方で、脳幹部のみにレビー小体が蓄積する病気がパーキンソン病です。
パーキンソン病で発病し徐々に認知症を呈する「認知症を伴うパーキンソン病」と「レビー小体型認知症」は、同一の疾患を別方向から見た疾病概念で、これらはスペクトラムを成していると言えます。

臨床症状としては、パーキンソン症状、幻視(小動物など。お客として招き入れるようなことも)、認知機能や運動機能の変動(週で違うなど)、レム睡眠行動障害などが見られます。
抗精神病薬に対する過敏性も高いです。

これらより選択肢④が、パーキンソン症状がもっとも多く見られる疾患であると言えます。


『⑤Alzheimer型認知症』

認知症の原因では最も多く、主に後部脳の側頭葉から頭頂葉の委縮が主体です。
初期症状はエピソード記憶障害(何度も同じことを聞く、同じ話を何回もする、物を置いた場所を忘れる、予定を忘れるなど)が多いとされています。

徐々に、注意障害、道順障害や視空間機能障害、意欲の低下、遂行機能障害、意味記憶障害などを伴うようになります。
麻痺や感覚障害は生じないとされています。

以上より、選択肢⑤の内容は適切ではないと言えます。
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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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