公認心理師 2018-17

2018年09月17日月曜日

P-Fスタディの問題です。
普段使っている方ならば間違えないだろうという内容になっています。



解答のポイント

P-Fスタディの基本的な特徴を把握していること。
教示などの実践的な内容についても触れたことがあると良い。


選択肢の解説


『①葛藤場面は、自我の退行場面と超自我が阻害される場面とで構成される』

P-Fスタディは、刺激項目を日常ごく普通に経験する比較的軽い欲求不満場面で統一し、それに対する被験者の反応を、独自の分類概念を設定して、それに基づいて分類し、その被験者の示す反応模様から、その背景にひそむ被験者の人格の独自性を明らかにしようとするものです。

そしてこの刺激場面の設定については、以下の2つに大別されます。

  • 自我阻害場面:人為的あるいは非人為的な妨害によって、直接的に自我の欲求・意図が阻害され、欲求不満を引き起こしている場面を指します。
  • 超自我阻害場面:他者から非難・詰問され、超自我の理想・目的が阻害されて欲求不満を引き起こしている場面を指します。単純に言えば、怒られる場面ですね。

よって、選択肢①の内容は適切と言えません。
余談ですが、この自我阻害場面・超自我阻害場面については、臨床心理士資格試験にも出たことがあります。
受験される方はチェックしておくと良いと思います。


『②攻撃性の方向が内外ともに向けられずに回避される反応を無責傾向と解釈する』

意外と引っかかるかもしれないのが「攻撃性」という表現です。
ローゼンツァイクは「Aggression」を広義に捉えており、以下を含んだものとして定義をしています。
  1. 普通の生活状態における一般的な主張性:これが特に重要。
  2. そのような行動のもとになる神経系のメカニズム。
  3. それらの行動を伝達あるいは促進する生理学的条件。

すなわち、P-Fスタディで使われる「攻撃性」という表現は、一般的な「主張性」というニュアンスであり、幅広い概念と言えます。

そしてローゼンツァイクは、この「攻撃性(≒主張性)」について、それをもたらした「責め」をどこに求めるかで以下の3つに分けています。
  1. 他責:攻撃性を外界に向ける。
  2. 自責:攻撃性を自らに向ける。
  3. 無責:攻撃性を向けることを回避する

「無責」という表現から「攻撃性が無い」と考えるのではなく、「回避している」と捉えることが重要です。
攻撃性、すなわち主張性ですから、それが無い人間など存在しないと言えます。

以上より、選択肢②の内容は適切と言えます。


『③依存性と攻撃性の方向とパターンを分類及び記号化して、社会的反応の特徴を把握する検査である』

P-Fスタディでは、攻撃性の方向(他責・自責・無責)とアグレッションの型;パターン(障害優位・自我防衛・要求固執)を分類及び記号化します。
よって、前半部分の「依存性」という表記は誤りと言え、選択肢③は不適切と判断できます。

加えて、後半の「社会的反応の特徴を把握する」という部分をどう解釈するかです。

P-Fスタディでは、テストの前半と後半で反応の質に変化があるか否か(いわゆる反応転移)を吟味します。
反応の流れと転移は、以下のような点を考察する上で重要な手掛かりとなります。
  1. 情緒の安定性
  2. 攻撃性の表明に際しての葛藤の指標
  3. 欲求不満耐性の高低の指標であり、社会化過程の指標

社会的適応者と不適応者で比較検討した場合、明らかに後者に転移率が高いとされています。
すなわち「社会的反応の特徴を把握する」というのは適切な面もあります。

しかし、選択肢の内容はやや限定的な表現に感じられ、この部分を適切と判断するには迷いを覚えます(P-FスタディではGCRなど、他の指標もありますので)。


『④他者との葛藤状況における言語反応を、愛着関係の方向とパターンに分類及び記号化して解釈する』

これまでに述べたように、「攻撃性」の方向とパターンに分類及び記号化して解釈するのがP-Fスタディです。
選択肢④の「愛着関係」という点が明らかに誤りであり、不適切な内容と言えます。


『⑤欲求不満を来す状況について、もしも自分であったらという想定における被験者の言語反応を分類及び記号化して解釈する』

こちらについては教示を知っているか否かを問われています。
P-Fスタディでは「…この右側の人の答えると思われる内容を書き込んでください」と教示します

「もしも自分だったら…」という教示は本人に向かいすぎている感じがあり、反応に歪みが出そうですね。
よって、選択肢⑤については不適切な内容と言えます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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