公認心理師 2018-13

2018年09月14日金曜日

社会的認知のバイアスに関する問題です。
こちらは直前に臨床心理士資格試験の過去問(H29-4)でやっていたので、ちょっと安心して解くことができました。



解答のポイント

各バイアスについて理解していること。


選択肢の解説


『①他者の内面を実際以上に理解していると誤解することを透明性の錯覚〈透明性錯誤〉という』

透明性の錯覚とは、自分の考えや感情を相手が理解していると思い込みすぎる傾向を指します。
選択肢①の内容は「他者」の部分が間違いですから、不適切な内容と言えます。

透明性の錯覚はギロビッチが「集団による問題解決実験」という実験により確かめられました。

例えば、一生懸命伝えようとしても相手に伝わらない時にイライラしてしまうのも、そもそもが、相手が理解してくれるという思い(透明性の錯覚)によるものと捉えることが可能です。


『②集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうことを疑似相関という』

疑似相関とは、2つの事象に因果関係がないのに、見えない要因(潜伏変数)によって因果関係があるかのように推測されることを指します。
よって、選択肢②の内容は適切ではありません。

擬似相関は、客観的に精査するとそれが妥当でないときにも、2つの集団間に意味の有る関係があるような印象を与えます。
例えば、身長と漢字力には相関がみられますが、この間には「年齢」という潜伏変数が隠れています。

こうした疑似相関の可能性を常に考慮し、相関関係では「因果関係を包含しない」と言われます。
この点は臨床心理士資格試験において、よく問われる内容です。

ちなみに、選択肢前半部分の「集団の違いと行動傾向との間に、実際にはない関係があると捉えてしまうこと」については、何かの概念を引っ張ってきている可能性があります。
しかし、調べ切ることができなかったので、わかった時点で追加修正します。


『③観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向を行為者-観察者バイアスという』

行為者-観察者バイアスとは、他者の行動については、その人の内面(特性など)に原因あると考えるのに対して、自分の行動については、その原因が自分の外側(特殊な事情など)にあると考える傾向を指します。
よって、選択肢③の内容は適切ではありません。

なお、選択肢前半部分の「観察者が状況要因を十分に考慮せず、行為者の内的特性を重視する傾向」については、「根本的な帰属の誤り」のことを指していると思われます。
これは、個人の行動を説明するにあたって、気質的または個性的な面を重視しすぎて、状況的な面を軽視しすぎる傾向を指します。
基本的帰属錯誤、基本的な帰属の錯誤、基本的な帰属のエラー、などとも称されます。


『④自分の成功については内的要因を、自分の失敗については外的要因を重視する傾向を確証バイアスという』

前半部分は③で示した「行為者-観察者バイアス」の説明になります。

確証バイアスとは、ある考えや仮説を検証する場合、その仮説に合致する情報を選択的に認知したり、重要と判断する傾向を指します。
いったんある決断をおこなってしまうと、その後に得られた情報を決断した内容に有利に解釈する傾向で、見た夢を正夢だと思い込むことなどがそれにあたります。
以上より、選択肢④の内容は適切とは言えません。


『⑤人物のある側面を望ましいと判断すると、他の側面も望ましいと判断する傾向を光背効果〈ハロー効果〉という』

後光効果とも言います。
他者がある側面で望ましい(もしくは望ましくない)特徴を有していると、その評価を当該人物に対する全体的評価にまで広げてしまう傾向を指します。

例えば、成績が良い生徒を、教師が性格・素行までも肯定的に捉えてしまうなどの場合がそれに該当します。
よって、選択肢⑤は適切な内容と言えます。

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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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