公認心理師 2018-12

2018年09月14日金曜日

児童虐待の基本的内容や、近年の統計について問う問題です。
明らかな誤りがありますので、比較的解きやすい問題だったと思われます。



解答のポイント

児童虐待防止法(特に第2条の条項)を理解している。
大きく変わっていない統計傾向(誰が虐待者となりやすいか、相談対応件数の増加)を把握している。


選択肢の解説


『①主な虐待者は実父が多く、次に実父以外の父親が多い』

やや古い統計ですが、平成26年度は実母が52.4%と最も多く、次いで実父が34.5%となっています。
ちなみに実父以外の父親については6%程度を推移しています。
よって、選択肢①は誤りと言えます。
(数年で大きくこの割合が変わるとは思えませんので)

実母は子どもと過ごす期間が長いということが背景にあると思われます。
「実父以外の父親」というパターンの割合から考えれば、6%というのもかなり多いのだろうと感じられますね。


『②身体的虐待、心理的虐待及び性的虐待の3種類に大別される』

児童虐待防止法第2条第1項~第4項に虐待の定義がされており、そこでは以下の4種類に大別されています。
  1. 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
    →身体的虐待
  2. 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。
    →性的虐待
  3. 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること
    →ネグレクト
  4. 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
    →心理的虐待
上記の内容から、選択肢②は誤りと言えます。


『③児童虐待防止法における児童とは、0歳から12歳までの者である』

児童虐待防止法第2条の中に、以下のような記載があります。
「この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう)について行う次に掲げる行為をいう」
よって、選択肢③は誤りと言えます。

これは児童福祉法でも同様です。
例えば、学校教育法における児童とは「初等教育を受けている者」、つまりは小学生を指します。


『④児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待にあたる』

上述した、児童虐待防止法第2条第4項に記載があります。
心理的虐待の定義として「児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力、その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」
よって、選択肢④の内容は正しいと判断できます。

この内容については、DV被害の実態が明らかになった結果、児童虐待防止法が改正されDVは子どもへの虐待とみなされることになったという経緯があります。
その流れによる変化として、性的行為を見せる(性的虐待)、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(心理的虐待)等があります。



『⑤児童虐待防止法が制定されて以降、児童虐待の相談対応件数は減少傾向にある』

平成12年に児童虐待防止法は制定されました。
その前年の平成11年は11631件だった相談対応件数は、平成26年は88931件と、7.6倍に増加しています。
これらの傾向から考え、選択肢⑤は誤りと言えます。


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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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