PTSDの診断基準:変更点を中心に

2018年08月25日土曜日

PTSDについては、DSM-Ⅳ-TRからDSM-Ⅴに変更となったポイントがいくつかあります。
変更点はやはり出題者としても出しやすいポイントだと思いますので、間違えないように押さえておきたいところです。
変更点を以下のようにまとめています。



【枠組みの変更】

Ⅳ-TRまでは「不安障害」に含まれていたが、Ⅴからは「心的外傷およびストレス因関連障害群」という新たなカテゴリーが作られた。


【出来事基準】

「危うく死ぬ、重症を負う、性的暴力を受ける出来事への曝露」と具体性がアップされた。また、主観的反応(強い恐怖心や無力感や戦慄)が削除された。以下の項目もプラスされている。
①伝聞によるトラウマ体験:近親者または親しい友人に起こった心的外傷的出来事を耳にする。
②直接でない体験:心的外傷的出来事の強い不快感をいだく細部に、繰り返しまたは極端に曝露される体験をする(遺体を収容する緊急対応要員、児童虐待の詳細に繰り返し曝露される警官)。電子媒体、テレビ、映像、または写真による曝露には適用されない。


【症状】

3症状クラスター計17項目から4症状クラスター計20項目に変更された。持続が1ヵ月以上は変わらず。

侵入(再体験)症状

一つ目の基準では、心像・思考・知覚が削除され、記憶に限定。神経症との鑑別がしやすい。

回避症状

想起不能、活動の減退、孤立感などが削除され、「認知と気分の陰性の変化」に移動。

認知と気分の陰性の変化

追加項目。想起不能、活動の減退、孤立感、陽性の感情が持続しない、などが回避症状から移動になる。
同時に、過剰に否定的な信念や予想(サイバーズギルトっぽい)、心的外傷的出来事の原因や結果についての持続的でゆがんだ認識、持続的な陰性の感情状態(恐怖、戦慄、怒り、罪悪感、または恥)が新設。

過覚醒

特に大きな変更はなし。


【解離の強調】

フラッシュバックは元々解離性であることを明言していたが、想起不能にも解離性健忘の文言を付した。
また、「解離症状(離人感・現実感消失)」を伴うか否かの特定項目が追加された。


【遅延顕症型の新設(3か月基準の撤廃)】

その出来事から少なくとも6ヵ月間診断基準を完全には満たしていない場合を設定。
DSM-Ⅳでは、3か月を基準に急性・慢性を分けていたが、実態として3か月以内に症状がおさまる場合が多いので、3か月を急性とみなす考え方自体が撤廃されたと思われる。


【6歳以下の基準の新設】

出来事基準

内容は大人と変わらないが、状況の設定がある。
①心的外傷的出来事を直接体験する。
②他人、特に主な養育者に起こった出来事を直に目撃する。
③親または養育者に起こった心的外傷的出来事を耳にする。

症状

「持続的回避」と「認知と気分の陰性変化」を合体している。
侵入症状:「再演する遊びとして表現されることがある」のような子どもの特徴を加味した文言が付されている。
持続的回避・認知と気分の陰性の変化:大人で分けられている2項目を合体している。
過覚醒:大人と変わらず。
特定項目:大人と同じく「解離症状の特定」と「遅延顕症型」が定められている。


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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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