リーダーシップのまとめ

2018年08月25日土曜日

リーダーシップについては、その研究の歴史と併せて覚える方が良いように思います。
それを踏まえて、各理論についてまとめていきます。



【資質・特性論】

リーダーとなる人間は、生まれながらにして特性を有しており、それ故にリーダーと機能すると考える立場。
偉人説などがこれに該当する。


【行動記述的アプローチ】

リーダーシップとは後天的に学習された行動スタイルと考える立場。
誰でもに身につけることができる、と考える。
優秀なリーダーという確定的な存在を規定している。

◎PM理論

三隅二不二が提唱した理論。
Performance機能:職務遂行機能。目標達成や課題遂行。
Maintenance機能:集団維持機能。対人関係の緊張を和らげ、集団を維持強化する。
※これらの単語をもじる問題が臨床心理士資格試験では出ています。例えば、Personalityにするなど。
両機能の強弱の組み合わせから4つのリーダーシップスタイル(PM、P、M、pm)を示した。

◎マネジリアル・グリッド理論

Blake&Moutonが提唱。
横軸に「管理者の生産に関する関心度」、縦軸に「人間に関する関心度」をとり、両軸を9等分し(9×9)、合計81区画(グリッド)を取って管理スタイルを分析した。
大きく分けて5タイプを分類した。
 消極型(1・1型):人と業績の両方に関心を持たない放任型リーダー
 人間中心型(1・9型):業績より、人を重視する人情型リーダー
 仕事中心型(9・1型):人より、業績を重視する権力型リーダー
 中庸型(5・5型):人と業績の両方にほどほどの関心を持つ妥協型リーダー
 理想型(9・9型):人と業績のどちらにも関心を持つ理想型リーダー


【状況適合(即応)的アプローチ】

行動記述的アプローチでは、普遍的に有効なリーダーの行動・特性を定義できなかった。
そこで「優れたリーダーは、メンバー側の特性や、集団をとりまく条件等を考慮しながら、リーダーとメンバーの相互作用によって生じる」という考え方が生まれた。
※状況に「適合」もしくは「即応」するようなリーダーが重要という考え方、でしょうか?
※ちなみに臨床心理士資格試験では、状況即応モデル=フィードラーのモデルという書き方がされています。

◎Fiedlerのモデル(LPCモデル)

フィードラーは「Least Preferred Coworkers(リーダーが最も苦手とする同僚に対する評価)の中でリーダーは明確なパターンを示す」と考え、18項目からなるLPC得点を示した。
 低LPCリーダー:課題志向性が強い
 高LPCリーダー:対人関係志向性が強い
LPC得点をもとに、どのような状況下では、どのようなスタイルのリーダーが効果的かを探った。
 リーダーにとって状況が好ましい・好ましくない場合:課題志向型リーダー
 リーダーにとって状況の好ましさが中程度の場合:関係志向型リーダー

◎Hersey&Blanchardの状況対応リーダーシップモデル

リーダーの基本的行動スタイルを指示的行動(課題達成行動:P行動)と協労的行動(関係維持行動:M行動)に分けた。
メンバーのレディネス(準備性、成熟)を考慮に入れて、状況に合わせた4つのリーダーシップ行動(指示的・説得的・参加的・委任的)を提案した。

◎Houseのパス・ゴール理論

リーダーの役割とは「部下がうまく目的・成果(ゴール)に到達するために、どのような経路(パス)をたどればよいのかをリーダーが把握し、有効な働きかけをすること」とした。
※リーダーシップ理論と、動機づけ理論とを結び付けて考えた。
リーダーのタイプとして、以下のものをあげた。
指示型:課題が曖昧、チーム内に葛藤がある場合や、部下の自律性や経験値が高くない時に有効
支援型:課題が明確な場合や、リーダー・部下間の公式権限が明確な組織の場合に有効。
参加型:部下の能力や自律性が高く、自己解決意欲がある場合に有効。
達成志向型:困難で曖昧な課題でも前に進めたい場合に、努力すれば好業績になるという期待で部下を動機づける時に有効。


【最近の理論】

◎LMX (Leader - Member eXchange)理論

Dienesch & Lidenが提唱。
リーダーとメンバーのPsychological contract (心理契約=メンバーがリーダーは契約した約束を守っていると信じているかどうか)で評価する。
 LMXの質が高い:メンバーの離職率を抑えられ、高い成果をもたらす。
 LMXの質が低い:その成果は低くなる。
従来の理論ではリーダーはフォロワー全員を均等に扱うことが前提だったが、LMX理論ではリーダーが一部のフォロワーを内輪の人間(in-group)、他を外集団(out-group)として扱う点に注目した。

◎変革型リーダーシップ

従来の組織を効率的に管理する人がリーダーであり、マネジャーであるとの暗黙の前提と一線を画するものとして「変革(革新)型リーダーシップ論」がある。
※従来の研究が想定していたリーダーシップを「交流型(取引型)リーダーシップ」と位置づけられる。
特徴は以下の通り。
①魅力あるビジョンを作りだし、それを明確にフォロワーに伝えることができる
②ビジョンを実現化する戦略を構築し、それが現実に達成できる期待をフォロワーに抱かせることができる
③フォロワーとの間に人間的ないし感情的な絆を結んで、彼らからより多くの貢献を引き出す
④フォロワーにとって理想の役割を演じることができる


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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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