混同させやすい人格障害の診断基準:自己愛性・演技性・境界性

2018年08月28日火曜日

臨床心理士の過去問をチェックしていてよくあるのが、自己愛性パーソナリティ障害の診断基準を選ぶ際に、演技性や境界性の診断基準を混ぜ込んでいるパターンです。
同じB群ということで間違えやすいのかもしれないですね。



【自己愛性パーソナリティ障害】


診断基準:誇大性(空想・行動)、賛美されたい欲求、共感の欠如。
以下のうち5つ以上によって示される。

①自分が重要であるという誇大な感覚。
②限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
③自分が特別。地位の高い人達だけが理解しうると信じている。
④過剰な賛美を求める。
⑤特権階級。
⑥対人関係で相手を不当に利用する。
⑦共感の欠如。
⑧しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
⑨尊大で傲慢な行動・態度。

こうした自己愛性の問題を理解するには、やはりコフートの理論が重要だと思われます。
コフートの理論は、あまり試験に馴染みませんが…。


【演技性パーソナリティ障害】


診断基準:過度な情動性と人の注意を引こうとする。
以下のうち5つ以上によって示される。

①自分が注目の的になっていない状況では楽しくない。
②他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる。
③浅薄ですばやく変化する感情表出を示す。
④自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる。
⑤過度に印象的だが内容がない話し方をする。
⑥自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情緒表現を示す。
⑦被暗示的(すなわち、他人または環境の影響を受けやすい)。
⑧対人関係を実際以上に親密なものと思っている。

私が出会うクライエントを振り返ってみると、こうした特徴を持つ人たちは、性的な傷つき体験が大きいように感じます。
そう主張している理論家もいるようですが、その辺は試験とは無関係ということで…。


【境界性パーソナリティ障害】

診断基準:対人関係、自己像、感情などの不安定および著しい衝動性の広範な様式。

①現実や想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力。
②理想化と脱価値化との両極端を揺れ動く不安定で激しい対人関係様式。
③同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像や自己観。
④自己を傷つける可能性のある衝動性。
⑤自殺の行為、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し。
⑥顕著な気分反応性による感情不安定性。
⑦慢性的な空虚感。
⑧不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難。
⑨一過性のストレス関連性の妄想様観念、または重篤な解離性症状。

上記の診断基準では、古くからの概念を継続的に採用しているところもあります。
①については、マスターソンの「見捨てられ不安」が有名なところでしょうか。
見捨てられ不安は、WORU(遠ざかると罰を与える)とRORU(近づくと報酬を与える)によって形成されるとマスターソンは主張していますね。
また、「直面化」もマスターソンの有名な技法となりますので押さえておきましょう。

②や③については、カーンバーグが主張していますね。
カーンバーグはそれ以外にも、「現実検討能力は維持されている」「原始的防衛機制の使用」などを指摘しています。

なお、原始的防衛機制といえばメラニークラインを、メラニークラインといえばポジション概念やアンナ・フロイトとの論争を、芋づる式に覚えておきたいところです。
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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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