臨床倫理4分割法

2018年08月29日水曜日

コムニタスの模擬試験をやっていて聞き覚えのない用語がありました。
症例を広い視野から具体的に眺められ、多職種で議論する枠組みとしても有用とされている「臨床倫理4分割法」についてまとめていきたいと思います。



【臨床倫理4分割法とは】

Jonsenらが1992年に示した倫理的な症例検討の考え方。
「医学的適応」「患者の意向」「QOL」「周囲の状況」の4項目の検討を行います。


臨床倫理とは、以下のような定義です。
①日常診療において生じる倫理的課題を認識し、分析し、解決しようとする試みること(Siegler)。
②クライエント(患者だけではなく患者家族や患者に関係する人)と医療者が、日常的な個々の診療において、互いの価値観の違いを認識しあいながら、双方にとって最善の対応を模索していくこと(白浜)

これらの実践のための具体的方法の一つが「臨床倫理4分割法」ということです。
以下の項目について討議していくとのことでした。


◎医学的適応

  • 患者の医学的な問題点、病歴、診断、予後
  • 急性か慢性か/重篤か/救急か/回復可能か
  • 治療の目標
  • 成功の可能性
  • 治療に失敗した時の対応
  • 医療で恩恵を受け害を避けられるか

◎患者の意向

  • 患者はどのような治療をしたいか
  • 利益とリスクを理解し同意したか
  • 精神面の能力/法的判断能力/判断能力がない
  • 根拠
  • 事前の意思表示
  • 代理決定は誰/適切な基準か
  • 治療に協力しようとしない/できない
  • 患者の選ぶ権利が尊重されているか

◎QOL

  • 治療する/しない場合の社会復帰の可能性
  • QOLの評価にバイアスをかけていないか
  • 治療で患者はどのような不利益を被るか
  • 現在や将来の状態は患者に耐えがたいか
  • 治療を中止する理由は
  • 緩和ケアを受けられる見込みは

◎周囲の状況

  • 影響を与える家族の問題
  • 医療提供者(医師・看譲婦)側の問題
  • 財政的・経済的な問題
  • 宗教的・文化的な問題
  • 守秘義務を破る正当性
  • 利用できる資源や手段の問題
  • 治療決定の法的な意味あい
  • 臨床研究や教育に問題があるか
  • 医療提供者や施設間の利益上の葛藤


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小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

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