ロールシャッハ・テスト その2:反応領域

2018年08月28日火曜日

ロールシャッハ・テストの反応領域についてまとめていきます。
臨床心理士では、しっかり押さえておかなければならなかったポイントですね。


【把握型】

・W:D:Dd:Sの割合のことを指す。
・W=Dぐらいだが、日本人ではWが多くなる場合もあり。
・Ddは10%もないことが多い。30%とかは多すぎ。


【各記号の解釈について】

◎W反応(全体反応)

解釈として、①抽象的・総合的なものの把握、②要求水準が挙げられます。
臨床心理士資格試験でも、上記2点についての設問がちらほらあります。
なぜ、上記のような解釈になるのか、少し説明をしていきます。

まずW反応には2種類あることを知っておきましょう。

1.W反応で一つのものを知覚している場合
Ⅰ図版でのP反応「コウモリ」のように、全体で一つのものを知覚する場合です。
この場合は厳密に言えば、上記の解釈には当てはまらず、D反応に近い反応です。

2.W反応で複数のものを知覚している場合
Ⅹ図版で「魚で、タツノオトシゴで、ワカメで、青色が水っぽいから海の世界ですね」などのような反応です。
この反応を式にすれば「W=D+D+D」ということになります。
つまり複数のD反応(部分反応)をまとめて、一つのW反応を作っているのです。

2の時に何が起こっているのか、を考えてみますと。
「魚」「タツノオトシゴ」「ワカメ」の共通項を見つけることで、「海の世界」というW反応を作りだすことができているわけです。
つまりは、魚・タツノオトシゴ・ワカメを抽象化し、概念を全体的に眺めることで、Wを示しているということになります。

同時に、こういった大変な知的作業を行うということは、検査を受けている人が「ちゃんと反応しよう!」と考えている、すなわち自分に対する要求水準を高めに設定しているということが考えられるわけです。

以上から、①物事を抽象的・総合的に把握する、②要求水準、という解釈が成り立つわけですね。

なお、気づいている人もいると思いますが、上記の「D+D+D」から「W」を導く思考は、ウェクスラー式の「類似」と同様のものです。
よって、W反応の量と質については「知的能力」を判定する指標にもなります。
しかし、臨床心理士資格試験において、W反応を用いて知的能力を判定させた問題は、26年間で2度きりです。
知的能力まではW反応の解釈として考えなくて良いでしょうね(資格試験的には)。


◎D反応(普通部分反応)

具体的・現実的なものの見方と解釈されます。
ある部分(D)と反応を対応させているわけですね。
現実に目の前にある図から判断するということで、具体的・現実的なものの見方、という解釈になるわけです。


◎Dd反応(特殊部分反応)

「物事の特異な見方」と解釈されます。
臨床心理士では、片口法の「dr」を「強迫的」と解釈させる問題が一時期連続で出ていました(平成14年頃から5年間ほど)。
しかし、ここ数年はぱったり出なくなっていますし、片口法限定の記号ですから、出題者側としてはかなり出しにくいと考えられます。

Share /

0 件のコメント

コメントを投稿

About Me

小学校~大学までの教育領域で臨床活動をしています。また10年以上、臨床心理士資格試験対策の勉強会に携わってきました。
このブログでは公認心理師および臨床心理士の資格試験に向けた内容をアップしていきます。時々、コラムや読書録なども。

Followers

CONTACT

名前

メール *

メッセージ *

© 公認心理師・臨床心理士の勉強会
designed by templatesZoo